世界を巡るお誕生日の旅 ブラジル編
ブラジル的お誕生日のお祝い豆知識
ドリームキャンドルを製造販売する株式会社田中務補(かねすけ)商店のたなかななです。
この《世界を巡るお誕生日の旅》シリーズは、
パーティーグッズのドリームキャンドルを
海外でも展開していこうと販路開拓している私たなかが、
世界中のお誕生日祝いについて調査している中で得た情報を
ブログとして執筆しているシリーズです。
13カ国目に突入した今回は、
【ブラジル】のお誕生日祝いをご紹介させていただきます。
日本から17,000km以上離れた遠い国ブラジルですが、
私個人的には親近感を勝手に感じている国。
それは、ここ神戸には私がもう10年近く通い続ける
大人気のブラジル料理店『サバス ブラジリアーノ』があるからなのです。
これまで何度も通っては名物肉料理シュラスコでお腹も心も満たしてきました。
味もさることながら、
陽気なブラジル人たちのおもてなしに最高に元気をもらえるお店なのです。
そういった経緯もあり、
今回【ブラジル】のお誕生日について
ブラジル出身の女性にインタビューを実施するチャンスを得られたとき、
心の中で軽く小躍り(もちろんサンバ!!)したのは言うまでもありません。
さて、今回インタビューをさせていただいたのは、
日本にお住まいでブラジル出身の日系3世、森谷エリカさん。
小学校や公民館でご自身の人生について「私って何人?」というタイトルで講演されたり、
国際交流協会で通訳ボランティアとして活動されていたり、
ブラジルと日本の文化の架け橋となるような活動を活発にされているパワフルウーマンです!
「私って何人?」というタイトルは、
これまでブラジル・アメリカ・日本で暮らした経験の中で
どこへ行っても(悪気なく)外国人と認識されて、
「自分はいったい何人になるかな?」という心の中の疑問をタイトルにしたそうです。
今回は、生まれ育ったブラジルでのお誕生日文化について
現地で何度もお祝いした経験をもつエリカさんから
貴重な情報を得ることができました。
エリカさん、こんにちわ。
よろしくお願いいたします。
まずは写真をご覧いただこうかしら。
そう言ってかつてエリカさんがお祝いした実際のお誕生日パーティーの様子を写した写真を
見せてくださいました。
そこには、エリカさんの2人の息子さんのお誕生日をお祝いする会場に
大勢のひとが集まっています。
10人や20人ではありません。
実に70人、80人の規模です。
そして、1ヶ月違いのお誕生日の2人のために
それぞれ異なるテーマでデコレーションされたステージのようなテーブルが用意されています。
一方はスパイダーマン、一方はバットマンで、
それぞれのキャラクターカラーのバルーンやガーランド、バースデーケーキが豪華に飾られています。
これはかなり盛大で豪華なパーティーですね。
ブラジルでは普通ですよ。
これが「普通」のレベル感とは驚きです。
ケーキも手作りですし、
ステージの後ろに飾るパネルや小道具も手作りです。
ちょっと待って!こ、これを手作りとは!!
誕生日への思いの込め様に度肝を抜かれました。
それに、普通にこのクオリティのデコレーションを手作りで仕上げるって
いったいどれだけ器用なんだと二重にびっくりです!
この写真のパーティーは子供たちの10歳と8歳を祝ったときのもので、
もう日本に移り住んでいて団地の集会所を借りました。
ブラジルからおじいちゃん・おばあちゃんも来てくれていました。
ここに集まっているのはブラジル人の方たちですか。
息子の日本人のお友達も大勢呼びましたし、
私のブラジル人の友人も参加してくれています。
これって日本ではなかなか見れるような感じではないですよね。
この豪華さに皆さんびっくりしてませんでしたか。
そうですね。結構みんな喜んでくれました。
日本ではどちらかというと少人数でお祝いしますが、
ブラジルは、何よりもみんなに祝ってもらうっていう感じなので。
このパーティーの準備は私の友達が手伝ってくれたのですが、
彼女たちの協力がなかったら絶対できなかったなって思います。
そうやって友人のお子さんのお誕生会を積極的にお手伝いしてするっていうのが、
もう当たり前の文化なんですか。
向こうでは結構そういうような協力体制は普通です。
もうみんなでワーッとやって、みんなで片付けして。
準備段階から片付けまでみんなでやる感じです。
日本とはパーティーの規模感も
準備や片付けまでの団結力も全然違いますね。
エリカさんは他にもブラジルでのお誕生日パーティーの写真を次々と見せてくれました。
どの写真にも大勢のひとが集まって盛大にお祝いする様子が収められていました。
手作りケーキというのも
ブラジルではけっこう皆さんされるのですか。
家庭でケーキを焼くとか、お菓子を作るとか。
そうですね。うちの家族はもう大家族で、子供だけでも6人いて。
貧しかったですし、それでお誕生日パーティーをしようって思ったら、
なかなか大変でしょ。
だから子供の頃はお母さんが結構頑張って作ってくれました。
もう作るしかないっていうのもあったかなって思います。
貧しかったって今おっしゃいましたが、
私、実は写真を拝見した時に、
すごい裕福なご家庭なんだなっていう印象があったんです。
貧しかったです。
子供の頃を思い出すと、例えば 三輪車を1台クリスマスにもらうと、
兄弟で1周漕いだら交代してみんなで共有するんです。
誕生日やクリスマスに服や靴をもらうと、大喜びですよ。
そうやって、自分たちの中で工夫しながら暮らしてきました。
なるほど。たくさんご苦労があったんですね。
さきほどからのお写真や今のお話から、
すごくこう、心が豊かだなって思いました。
素敵ですね。
この写真は私の妹が38歳の時のお誕生日です。
そしてこれは、84歳のおじいちゃんのお誕生日。
これもすごいケーキじゃないですか!
日本で84歳となると、「もうケーキは食べられない」って、
おじいちゃんもおばあちゃんも言いそうですけれど、
ブラジルでは年をとっても
この生クリームたっぷりのケーキを食べられるんですか。
集まる人数が半端ないので、
皆んなで分けたら1人分はわずかになりますから
全然大丈夫です。
なるほど
この写真は私の弟のお嫁さんなんですけど、
お誕生日のロウソクのところを「?」マークにしています。
これはもしかして?
そう!
年齢をあえて伏せたい場合は「?」マークにします。
こういうユーモアが許されるっていいですよね。
大人の場合はお食事会を楽しみます。
もちろんメニューは焼肉です。
焼肉ってもしかして
シュラスコですか?
はい、そうです。
得意な方が焼いてくれます。
他にもパーティーで人気のお料理とかありますか。
定番中の定番なんですけど、
ポテサラであったり、グリーンサラダであったり
ラザーニャであったり、ピラフやチキン料理であったり。
すべて手作りします。
女性たちがキッチンに集まって
ワイワイおしゃべりしながら作るんですが、
もうそこからパーティーが始まってるんです。
本当に全員参加型のパーティーですね!
例えば母の誕生日パーティーをするって決まったら、
兄弟で声を掛け合い、
次にご近所だったり、知り合いや友人など 身近な方を誘うんですけど、
「私は◯◯を手伝いますよ。何時に行けばいいの?」って聞いてくれるので
「そしたら、9時に来て手伝って」ってお願いします。
料理の手伝いができないひとは「私は◯◯を手伝います」と
できることをみんなで協力しながらパーティーを作り上げていくんです。
なんという結束力でしょう!!
ところでさきほど見せていただいたバースデーケーキの周りに、
チョコレートのボールみたいなものが
たくさん置いてあったと思うのですが、
あれは何ですか?
ああ、あれはチョコレートです。
あれも皆んなでたくさん手作りするんです。
そういえば、ブラジルってカカオが有名でしたよね?
そうです。カカオは有名です。
インタビューの後にこのチョコレート菓子について調べてみたところ、
『ブリガデイロ』という名前のブラジル特有のホームメイド菓子ということが判明しました。
エリカさんが見せてくれた写真のとおり、
誕生日祝いでよく食べられるお菓子だそうです。
パーティーの時にお酒は召し上がるのですか?
はい。 ビールが基本かな。
飲む人は半端なく飲みますね。
お酒好きな方が多いです。
さきほど、集会所のようなところを借りた例を見せてくださいましたが、
ブラジルではパーティーの場所を借りて開催することが多いのですか。
人数が多いだけに、
借りれる場所を利用するケースは多いと思います。
そこに、料理や配膳係まで頼む場合もあります。
けっこうなコストがかかりそうですね。
それは、招待する側がすべて負担するのですか?
例えば、子供のお誕生日なら、ご両親負担になるのでしょうか。
はい、そうです。
例えば、日本だと、結婚式をする時に、
招待された側がお祝儀といってお金を包んで持っていくんですけど。
そういうのもないですか。
お金をいただくことはないです。
みなさんプレゼントを持ってきてくださいます。
例えば、「私は飲み物をもっていくよ」とか
「お肉を持参するよ」とか、参加者が持ち寄る感じです。
協力体制がすごい!
ところで、ハッピーバースデーの歌は歌うのですか。
歌います。
日本のハッピーバースデーも
ブラジルのハッピーバースデーも知っていますが、
ブラジルの方がテンションが高いです!
歌を歌って、ロウソクを吹き消す時に
願い事をしますか。
はい、願い事をしてからロウソクの火を吹き消します。
ブラジルはクリスチャンの方が多いのですか。
9割がたクリスチャンです。
同じキリスト教でもいろいろな宗派の方がいます。
誕生日などのお祝いをしない宗派もあるそうですが、
宗教が違ってもコミュニティや社会は回っているので、
宗教関係なく、肌の色も関係なく、
習慣とかも 大体統一してるかなって感じがします。
なるほどですね。
お互いを尊重する気持ちは素敵です。
ところで、家族や友人以外に
職場の仲間を祝ったりもするのですか。
しますよ。
職場ではケーキでお祝いするくらいですが、
「今日はケーキで我慢してね。週末にみんなで食事へ行こうね」
みたいな流れになります。
素晴らしいですね!
なんかとにかく祝い合う感じですね。
家族であろうと、友達であろうと、 会社の仲間であろうと、
やっぱりこう、イメージ通り気持ちが熱い国ですね!
ええ、そうですね。
3、40年前ぐらいの日本かなっていう感じですよね。
お正月になったらみんな集まってお餅つきしたりとか。
今の日本は「個」が好まれる傾向にあって、
大勢の親戚で集まったり、
ご近所同士のお付き合いをしたり、
そんな機会がとても減っていますものね。
私は介護の仕事をしているので
日本とブラジルの介護の違いも感じます。
ブラジルでは今もお嫁さんが両親の面倒をみたり、
家庭の中で介護をするケースが多いです。
その代わり、掃除などの家事を外注したり、
どうすれば 仕事量を減少できるかっていうことも考えながら
負担が増えすぎないように調整します。
日本では、掃除などの家事を外注する習慣がないですから、
家庭で介護する場合は家事の負担も背負わないといけないケースが
多いのではないでしょうか。
親と子の住む場所が遠く離れていることも多く、
日本ならではの介護の難しさを感じます。
ブラジルといえばサンバを思い浮かべますが、
お誕生日パーティーでサンバを踊ったりするのでしょうか。
お誕生日にサンバはあまり踊りません。
でも誰かがギターを持ってきて
演奏に合わせてみんなで歌ったり、
大きな音量で音楽を流したり、賑やかに祝います。
一方、お店でお食事をする際は
それほど賑やかにしないケースもあります。
ビーチでパーティーすることもあって、
そんな時はサッカーしたり、自由に楽しみますよ。
楽しみ方のバリエーションがすごいですね!
プレゼントも柔軟性がありそうですね。
相手が欲しがっているものっていうか、
その年齢に合ったものを選びます。
「ちょっといいセーターがあったから買ってきたよ」みたいな感じで
プレゼントしたり、季節に応じた贈り物を選んだり。
身近な方なら、「前にあれ欲しいって言ってたよね」と
記憶からプレゼントを選んだり、
名前を彫ったアクセサリーを贈ったり。
そっかそっか。
結構準備をするんでしょうね。
例えばアクセサリーに何か彫るにしても、日数がかかりますしね。
ちゃんと誕生日を把握して、相手を想って準備するんですね。
やっぱり自分の生活があって、
それにプラスして皆んな誕生日がありますよね。
プレゼントを贈る相手は1人や2人ではないですし、
すごく身近な方だったら特別なものを贈ります。、
そうなると、ローンを組んでまでプレゼントを用意するひともいるぐらい、
誕生日はとても大切な日なんです。
想いが伝わってきます。
最初に見せた私の子供たちのお誕生日の料理にしても、
一品 4、500個ぐらいとか作ったんです。
何日か前から作り出して、冷凍して、
それを当日揚げてって。
甘いデザートも何種類かあるから、
すぐにはできません。
こんな風に手をかけるから、すごく思い出に残る!
とても幸せですね!
はい!
誕生日を迎える今日まで健康でいたこととか、
こうして幸せだったことを祝うような形で、
皆んなでお祝いできたらいいな、というのが私の願いです。
今日はたくさん素敵なお話を聞かせていただき
ありがとうございました。
私自身がこんな貴重なお話を聞けたことが幸せですし、
それをブログで発信して、読者の皆さんにお届けできることも幸せですし、
2重に幸せだなと思っています。
今日は本当にありがとうございました。
私自身の感想
今回エリカさんのお話をお聞きして、
ブラジルの方のお誕生日への想いの深さと
家族や仲間同士の団結力に圧倒されました。
私たち日本人は
奥ゆかしくて、
気持ちを”察する”ことを得意とします。
当然のことながら察する力を発揮できる範囲には限りがあり、
広くたくさんの人との交わりというよりは
少人数でこじんまりと交流を好む人種なのでしょうか。
ブラジルのお祝いのスケールとは大きな違いを感じました。
しかし、どちらがいい・悪いではなく、
日本らしさ・ブラジルらしさを尊重し、
お互いのいい点を自分たちの良さにプラスすることで
お誕生日のお祝いの仕方に
バリエーションが加わって楽しくなるのかな、と思います。
こうして色々な国のお誕生日を知ると
私自身本当に楽しみが広がっていくのを感じています。
これからも、このシリーズを続けていきたいと切に願います。
お知らせ
最後にお知らせです。
私たちが販売しているドリームキャンドルは
冬季限定でクリスマスバージョンとクリスマスギフトを販売しています。
昨年は、SNSの影響で12月に入ってすぐに売り切れとなってしまいました。
ぜひ今年のクリスマスは、お早めにご準備くださいませ。
投稿者プロフィール
-
ドリームキャンドルのメーカーに勤務するたなかななと申します。お誕生日やドリームキャンドル、地元神戸にまつわるストーリーを執筆中
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